Twitterの方で、飼育員への転職について数件質問を受けました。
学生さんだけでなく、現在別の職業に就きながら飼育員を目指している方も一定数いるかと思います。
私自身は転職経験はありませんが、職場や知り合いの飼育員には転職して動物園飼育員になった方もいます。
今回はそうした方のお話や考えを踏まえつつ、動物園飼育員への転職について書きたいと思います。
〇転職も新卒も同じ試験が多い
一部の求人を除き、転職者向けの採用試験はほとんどなく、多くの動物園は新卒、既卒に関わらず同じ試験を実施しています。
そのため、募集案内等に記載されている応募資格は満たしていることが大前提です。
これまで本サイトでも多くの求人情報を掲載してきましたが、
- 専門課程を履修し、動物関連の専門学校や大学等を卒業
- 年齢
- 普通自動車運転免許の取得
この3つを動物園飼育員の採用試験の受験資格要件とされることが多いです。
年齢については動物園によってバラバラですが、30歳~35歳を上限としていることが多い印象です。
学歴不問や年齢不問という求人も少なからずありますが、少しでも採用される確率を上げるのであれば、上記の3つの条件は満たしていた方が好ましいです。
各園によって、詳細な受験資格要件が異なるので、もし働きたい園がある場合は過去の求人情報を確認してみると良いかもしれません。
〇どんな職歴な方が転職しているの?
1.別の動物園で働いていた方
他園の動物園で臨時職員、嘱託職員等の非正規職員の方が、正規雇用を目指して転職することはよく聞きます。
また、正規職員の方でも自分にあった動物園で働きたい、出身地の動物園に戻りたいなどの理由で他園へ転職したという例もあります。
2.動物園以外の動物飼育施設で働いていた方
動物園以外の動物飼育施設で働いていた方も転職して、動物園で働き始めたという例もあります。
具体的には水族館、観光牧場、希少動物の飼育繁殖施設などですね。
3.上記以外の仕事の方
数少ないですが、動物関連でも動物飼育に関わらない方(動物看護士など)、全く畑違いの方(一般企業の営業職、造園業など)の方も転職して動物園飼育員として働き始めたという例もあります。
…結局、どんな職業でも動物園飼育員は目指せます(笑)
動物園飼育員は先に挙げたような受験資格さえ満たせば採用試験は受験できますし、採用される可能性はあります。
しかし、動物園飼育員の主な仕事は、やはり動物飼育業務なので、これまで動物飼育の経験があるかというのは一つのカギになるかと感じます。
仕事として動物飼育を経験している方もいれば、学生時だけ実習などで動物飼育を経験している方もいます。
一方、働き始めてから動物園飼育員に転職したいと決めた方には、動物飼育経験が全くない方もいるかもしれません。
もし今の状況では動物飼育経験を得ることが難しいのであれば、
- 動物園に限らず、他の動物飼育施設への転職する
- 正規雇用だけでなく短期アルバイト、臨時職員として働く
- 専門学校等に通い直す
といったことを視野に入れるのも良いかもしれません。
〇転職者向けアドバイス
・働きたい動物園や求める条件を明確にする
就職活動に時間をかけられる新卒者と違い、働きながら転職活動する方はスケジュールが合わないなどの理由で多くの採用試験を受験することは厳しいかと感じます。
たくさん受けられる環境にいる方はたくさん受けてもらえればよいかもしれませんが、そうでない方は自分が働きたい動物園や求める条件などを明確にして、時間やエネルギーを本当に働きたい動物園の採用試験に注力した方が効率的です。
また、働き始める前には気が付かなかった、気にならなかった部分が働き始めてから実は重要だった!と感じたことはないでしょうか。
転職先と自分の希望のミスマッチを避けるためにも、自分の条件を持っておくことをおススメします。
・情報収集、準備をしておく
動物園飼育員の求人は不定期です。
希望する動物園がいつ求人が出るかはわかりません。
数年後に動物園飼育員に転職したいと考えていても、希望通りのタイミングで求人が出る保障はありません。
そのため、動物園の求人情報には敏感になっておく必要があります。
また、出るかどうかわからないから転職準備を先延ばしにするのではなく、次に希望する求人が出たら採用試験を受けることを想定して準備しておいた方が良いです。
チャンスは想像しているよりも少ないですよ。
・時間が限られているからこそ、筆記試験対策は効率的な方法で
筆記試験についても、転職者の方は試験対策にかけられる勉強時間の確保が難しいかもしれません。
採用試験に臨んだけど勉強不足、対策不足で筆記試験が不合格だったという話もよく聞きます。
だからこそ、転職者の方はより効率よく勉強し、点数を取る方法が必要です。
具体的には、
- 公務員試験(教養試験)では一般知識分野よりも一般知能分野に時間を割く
- 専門試験も基礎知識に重点を置く
- 多くの書籍や教材を用いるのではなく、少ない教材を反復して勉強する
- 短くても試験対策に充てる時間を毎日確保する
・・・など
動物園の採用試験は多種多様なので、個々の動物園に合わせた試験対策をするよりも多くの動物園の採用試験で通用しうる知識を早い段階で身に付けておいた方が効率がよいです。
細かな筆記試験対策については以下の記事も参考にしてみてください。
【質問回答】専門試験対策の勉強はどうやる?-飼育員の採用試験対策-
・働きながら、自分を磨く
働いている以上は日々様々な経験を得るチャンスがあります。
例えば転職先で使えそうなスキルを身に着けたり、自己アピールにつながる実績を積むことも可能でしょう。
失敗やトラブルも、その後の対応次第では自分の成長につながるはずです。
これらは動物園で働いていなくても、飼育業務に就いていなくても同じです。
「どうせ転職するから、なんとなく働く」のではなく、今の状況で得られる経験や自分の成長につながることがないか探して、自分を磨いた方が転職時にも具体例としてアピールしやすいです。
〇転職者に向け面接質問例
新卒者以上に、転職者には社会経験、即戦力といったものを求めています。
いくつか転職者向けの面接予想質問を考えましたので、ご自分の考えをまとめる参考にしてください。
1.どうして当園で動物園飼育員として働きたいのですか。
2.当園で生かせるスキル・経験はありますか
3.即戦力になれますか
4.現在の仕事を辞めたい理由(あるいは前職を辞めた理由)はなんですか。
5.現在の仕事(前職)に就いた理由を教えてください。
いかがだったでしょうか。
動物園飼育員になる前は、新卒で動物園飼育員になるのが主流なのかなと考えていました。
しかし飼育員になってから、いろんな方のお話を聞いてみると、転職して飼育員になったという方も結構多いなと感じました。
今回の記事が、これから転職して動物園飼育員を目指す方にとって少しでも参考になれば幸いです。