1.動物園の社会的役割とは?

動物園は何のために存在するのか、社会的にどのような役割を担っているのか。
なかなか難しい問題ですし、人によって意見も異なるかなと思います。

(公社)日本動物園水族館協会では、動物園や水族館の役割として、


・種の保存
・教育・環境教育
・調査・研究
・レクリエーション

これら4つの役割を示しています(それぞれの詳細についてはコチラ)。
しかし、個々の動物園によっては4つの役割の中でどこに重きを置いているかは違ってきます。
動物園に興味のある方、働きたい方は、個々の動物園がどの役割を重要視しているかについて調べてみるとその動物園の特色などが見えてくるかもしれません。
また、どのような役割を重要と考えている動物園で自分は働きたいのかについて考えるのもよいでしょう。

2、飼育員の役割とは?

先に挙げたように動物園には4つの役割があります。
これらのことについては、一般的にも認知されてきたようにも感じます。
飼育員志望の方もこのあたりは暗唱したかのようにスラスラ答える方も多いです(笑)

では、少し視点を変えて、一つ質問します。

動物園にはこれら4つの役割があるとして、飼育員の役割とは何でしょうか?

皆さんはどのように答えますか。

あくまで個人的な意見を述べさせてもらうのであれば、
動物園の役割を果たすために、いかに動物をより良く飼育していくか。動物を展示していくのか。

それが動物園飼育員の役割ではないかなと私は考えます。
動物の飼育、展示がなければ、先に挙げた役割を動物園で果たすことは不可能です。
どうやって飼育していくか、どのように来園者に見せるのか。
そういった日々の積み重ねが飼育員の仕事の本質だと考えます。
誤解してほしくないのは、「動物園飼育員は動物飼育だけをすればいい」と言っているわけではありません。
動物園職員として、先に挙げた4つの役割を果たそうと飼育展示以外に関しても働くべきですし、飼育管理で得られた知見を教育活動、研究活動につなげていくのも飼育員の仕事だと考えています。
ただどれほど教育活動、研究活動等に熱心で、輝かしい功績を収めることになったとしても根本にある動物の飼育や展示ということを大事にしていかなかれば、飼育員としての役割を果たしていないんだろうなと感じます。

 

3.志望者の理想と現実のギャップ

飼育員の役割が動物の飼育なんて、そんなの当たり前じゃん!
・・・と感じた方も多いかと思います。

ただ最近、動物園飼育員を志望している方に志望動機を聞くと

・希少種の保全がしたいから
・環境教育がしたいから
・動物の魅力を来園者に伝えたいから

という答えが返ってきて、「動物の飼育を通して」という言葉が、ほとんど聞こえてこないことに少し違和感を感じたので、あえて今回の記事に書きました。
(そもそも当たり前すぎて、言わなかっただけかもしれませんが)

上記の志望動機が間違っているということではありません。
動物園の役割を十分認識して、高い目標を持って飼育員として働こうという気持ちはとても心強いと思います。
一方で動物飼育の仕事はもっと泥臭く、評価されにくい部分も多いのが実情です。
話を聞いた様子からだと、実際に飼育員になった時に理想と現実のギャップに困惑しないかな、飼育員の仕事の根本である動物飼育を軽視し、上辺だけの成果を求めることならないかなと少し不安に感じます。

これから飼育員を目指す方は、来園者向けや外部向けの情報だけでなく、ぜひ現役飼育員さんの本音を聞くあるいはインターンシップなど内情がわかる経験を持つことをお勧めします。

そして飼育員の役割とは何なのかぜひ一考してみてください。
(あくまで今回の記事は私の個人的な考えなので、参考程度に留めていただけると幸いです。)